このブログを(細々ながらも)更新する意味はいくつかある。教室の近況・イベント告知・体験レッスン希望の方への教室紹介・他ジャンルの方に存在を知ってもらうこと、などなど。先日というにはあまりにも遠い5月12日の単独ミュージカル公演。ありがたいことに終演後からホームページにアクセスが殺到した。ありがたいことにお客さんも約600席満員御礼(5/14の中日新聞には「満席の約二百人が…」となっておりましたが悲し過ぎる誤植です。)!
12日→13日→14日と日が経つにつれ、祭りのあと、「あっ舞台図の修正しないと!」PCに向かい「あっ終わったのか。」、メリポピロスとの戦い、妻は本番翌日の朝「よし!今日は頑張るぞ!」と昨日を繰り返さんばかりの目覚めを体験、ホームページへの訪問者は少なくなり、今これを読んでくれているあなたは多分これまでも読んでくれていたあなただ。新客様は私の脱力の間に次のトキメキを求めて旅立った。そんなタイミングで一言。
改めてましてEmi music studio presents 「メリーポピンズ 」ミュージカル公演に御来場いただきました皆様、舞台スタッフ様、協賛者様、誠にありがとうございました。当校史上最大規模でお届けしたステージ、様々なところから御好評いただき非常に安堵しております。ひと昔前のラッパーやレゲエ人がよく口にしていた「感謝」とは一線を画す、フラグシップな「ありがとうございます」をこの場を借りてお伝え致します。満席の会場の中で、これまで創り上げてきた表現を発揮した子供達の終演後の笑顔。ハッピーに包まれたロビーでの様々な交流。
とにかく一言。お疲れ様でした!
物語において「主人公」の定義はいくつかある。ストーリーを牽引し、受け手の感情移入をすべて引き受け、時に特別なスキルを手に入れたりする。
尊敬する評論家は「物語の最初と最後で思考が大きく変わる者」と仰っていた。タクシードライバーのトラヴィスだ(「時計じかけのオレンジ」のようにまた元に戻る最高のパターンもある)。
さて、先日のメリーポピンズの場合、主人公は誰なんだろう。様々な魔法でバンクス一家の絡み合った凧糸を紐解くメリーポピンズ だろうか?屋根の上からロンドンの夜景を眺めて、抽象度ガチ上がりしたバンクス家の子供達だろうか?規律と秩序の支配から解き放たれ、家族を最優先にすると誓った父親だろうか?
Emi music studioの解釈は全く違う。一年以上も前から楽曲に向き合い、学校の同級生がショッピングモールでサーティワンのアイスを食べている休日に歌やダンスや台詞の練習を繰り返し、10連休のGWなんか毎日レッスンや道具制作に明け暮れた出演者全員が主人公だ。「みんな頑張ったね!」なんて軽い言葉じゃない。最初と最後で思考が大きく変わる者。
雪布ロープで吊るされた凧の紐はピンと張り高々と宙を舞う。取り合いで破れかけたぬいぐるみはメリーポピンズ が去った後、大切に抱きしめられる。父親を助けることができなかった原作者のP.L.トラヴァースは物語の中で自身の父親を救った。「悲しい物語をそろそろ終わらせよう」と、ウォルトディズニーは言った。煙突、上昇気流。
VRで視点を舞台の真ん中に持ってこようとも、拡張現実で立体的なリビングミュージカルを再生しようとも、あのコンサートホールの振動は再現できない。
満席600人からの拍手や手拍子は、出演者にとってロンドンの夜景だったのだ。













