ドラマー育児日記 1拍目





このごくごく小規模な私のブログ世界、多少なりとも有難き読者がいることが現実世界で判明してきました。何事も少人数の方が自由が利くので今のうちに楽しみましょう。
しかしながら音楽教室のブログにしては、肝心なところで演奏を文章で表現しない(それができるのは樋口毅宏先生と恩田陸先生だけだ。)主義なので、もう今の私が提供できるトピックは育児しかありません。言わずもがな、偉大なる母親の方々はたくさんおられますし、イクメンという不気味な言葉に踊らされている新米父親も多いでしょう。

私の境遇はと言いますと、妻がレッスンをガンバってくれている時間を息子と二人で過ごす程度のものです。実質18時頃から寝るまでのたった4、5時間だけです(妻は朝からずっと、、凄い。)。この状態がもうすぐ2年半になります。ドラマーの知恵と特性が育児に活かされたことはほぼありませんが、なんとかこじ付けながら本シリーズを始めていきます。

息子がまだ半年の頃。この時期から他の子とは違う曲を聴かせて、リズムや感性を尖らせてやろうと色んな曲を聴かせた。ケンドリック・ラマーのTo Pimp A Butterflyを聴きながらミルクを吐き、Lauren DesbergのRock Steadyに合わせて泣き叫んだ。オムツを替える時のBGMはClap!Clap!のUniversal Modulator(Kujhmak)だ。そんな折、Newsweek誌の中で「モーツァルト効果は無い」と正式に否定され、内心ちょっと引いた。

あの頃、自分の時間や自由をほぼ全て息子に捧げ、毎日悩み、一瞬の笑顔に微笑み、泥のように眠った。深夜起こされ、3割ほどしか開いていない視野を頼りに狭いアパートを抱いて歩いた。今、その時によく聴いた曲を流すとうっすらミルクの匂いがする。曲のビートから、あの5連符の隙間から、匂いがするのだ。共感覚を手に入れたわけではない。ただ他人より少しだけ音楽の記憶力が良い私独特の特権である。私はドラマーなのだ。

この有効な情報の無い育児シリーズ、何拍目までいくことやら。





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ABOUTこの記事をかいた人

JazzとHip-Hopの親和性に日々悩み、3連符を12分音符と呼ぶ人とは距離を置きつつ、Klo Pelgagが近鉄バッファローズのキャップかぶってるのを見て世界の自由さに嫉妬する毎日。バリー・ユアグローの文学から、着地は樋口毅宏先生。辛い時は、ハンス・ランダの高笑いを思い出す。
絶賛育児中の愚筆家。